絵本のはなし

【絵本のはなし】ゆったりふわふわ、いいかんじ。なんだかほわ〜〜んとする絵本、『きもちいい』

morihanaco

どこか異国の、知らないけど知っている場所。あたたかい風が吹いて、大きく伸びをして、うとうとしたくなるような。風のにおいが想像できるような、そんな絵本に出合いました。

表紙は、やわらかい赤色の背景と、やさしい表情の女の子が印象的。18.4cm×21.7cmという判型はおもいのほか小ぶりですが、そこに広がるのは、作者である若林夏さんの雄大な「きもちいい」世界です。

若林さんは、イラストレーターで、この絵本が絵本デビュー作。私はこの絵本で初めて、若林さんの世界を知りました。暖色を基調としつつも、使っている色はたくさん、なのに色同士全部が友だちみたいな仲よしさ!

タイトルにもなっている「きもちいい」ということばは、絵本の中でも繰り返されます。
声にだしてみて分かったことなのですが、「きもちいい」ということばは、一音一音読もうとすると意外と難しい。ちゃんと読もうとして「き・も・ち・い・い」としてしまうと、(あくまで個人的に、ですが)なんだかちょっぴり違う感じがするのです。
読みながら、あれこれ工夫すること数回。そして気が付きました。本当にリラックスした雰囲気で、「きもちいーぃ」という感じで読むと、とってもいい感じになる! 

絵本は、感じ方はもちろん、読み方ひとそれぞれですよね。正解がないのが難しいけれど、想像力を存分に発揮できる。みなさんそれぞれの、いい感じの「きもちいい」を見つけてみてもらいたいです。

なんだか毎日忙しくって、息つく暇もない。子どもを寝かしつける頃にはもう自分も眠くって……。

ある日の夜、寝る前の絵本として子どもが選んだのはこの絵本。
「きもちいい」の部分は、子どもも一緒に「きもちいーぃ」。

なんだかほわ〜〜んとした気分になりました。

つかのまのひととき。それがだいじ。

ロクリン社さんウェブサイト
https://www.rokurin.jp/book/kimochiii

書誌情報

きもちいい
若林夏/作 ロクリン社
発行:2026/06 1,870円(税込)

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ABOUT ME
もりはなこ
もりはなこ
イラストレーター/書店員
神奈川県生まれ、青森県在住のイラストレーター、もりはなこです。 ふっと肩の力が抜けるような、親しみやすく温かな表現を大切にしています。 透明水彩、色鉛筆、デジタルを用いて、「本のある日常」「子ども」「地域性」をテーマにイラストを制作しています。 書店員としては長年児童書を担当しており、絵本にまつわるエッセイなども執筆しています。 【使用ソフト】 Procreate、Adobe Illustrator 【使用画材】 透明水彩絵具、色鉛筆 イラストレーターズ通信会員
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